表題番号:2004A-348 日付:2005/03/18
研究課題遺伝的ネットワークプログラミングを用いたデータマイニングに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 助教授 古月 敬之
(連携研究者) 大学院情報生産システム研究科 教授 平澤 宏太郎
研究成果概要
 遺伝的ネットワークプログラミング(Genetic Network Programming:GNP)は遺伝的アルゴリズム(GA)や遺伝的プログラミング(GP)とは異なり、有向グラフを遺伝子とする新しい進化型計算アルゴリズムである。本研究では、この新しいGNPを活用して、従来のニューラルネットワーク、相関ルール、決定木・回帰木とは異なる新しい進化型のデータマイニング手法の基本技術について研究を行った。
 GNPは判定ノードと処理ノードがネットワーク状に結合しており、判定ノードでは環境からの情報を判定し多分岐し、処理ノードでは環境に対して出力を行なうノードである。GNPの特徴は、「1」有限状態機械と異なり必要な情報を必要なときに取り込むことが出来るため、部分マルコフ決定過程のプロセスをモデル化できる;「2」判定ノードおよび処理ノードを重複して活用できるため、コンパクトな構成が可能になる;「3」有向グラフによるネットワーク構成のため、GNPの内部に過去のノード遷移の履歴を記憶することができる等である。このGNPをデータマイニングに活用し、GNPの判定ノードと処理ノードの進化による柔軟な組み合わせにより、データの中の普遍的な知識が効率的に抽出可能なことに着目して、ルール抽出手法を開発し、エレベータ群管理システムの呼び割付けや株価指数の予測などへ展開も行った。