表題番号:2004A-344 日付:2005/12/12
研究課題状態変動を伴う化学プラントを対象とした異常検知のためのモデリング手法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 助教授 立野 繁之
研究成果概要
 本研究では、負荷が変動する診断対象プラントにおける異常の検出手法であるデータベースモデリング法の検出速度の改良を行った。データベースモデリング法の利点は予測精度が非常に高いという点であるが、規模の大きな診断プラントにおいて異常の検出・診断を行う場合には予測結果の探索にかなりの時間を要するためにオンラインでの予測が困難となる問題点があった。
 大規模な対象においてデータベースモデリング法を用いるためには、データベースレコード探索を高速することが必要であるが、本研究ではソフトウェアによる効率化として検索アルゴリズムの改良を検討した。
 従来のデータベースの検索に時間を要していた理由は、膨大な量のデータ全てに対して入力レコードと類似性の高いレコードを検索していたためである。ここで、対象としている化学プラントの状態変数は比較的揺るやかにしか変化しないという特徴を利用することによって、検索レコードの範囲を予め絞り込むことを考えられる。また、オンライン予測を行う際にレコードデータの入力の待ち時間を利用して、次に入力されるレコードの範囲を予め予測しておき、その予測レコードに対応した検索レコードの絞り込みを行えば、さらにレコード検索を高速化することが可能である。
 これらの検索高速化アルゴリズムを配管系プラントの1年間分の測定データに適用し、その有用性を検証した。