表題番号:2004A-343 日付:2005/02/16
研究課題ユビキタス情報処理端末用システムLSI構成法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 助教授 池永 剛
研究成果概要
本プロジェクトのテーマであるユビキタス情報処理用システムLSI構成法の確立を目指し、暗号処理用SoC、ネットワーク処理用SoC画像処理用SoCの3つの応用分野に対し検討を行った。暗号処理SoCでは、考案した多ビット乗算器構成法に基づき、TSMC0.18umを用いたRSA暗号LSI、およびローム0.35umを用いた楕円暗号LSIの試作(2品種)を行った。以上の取り組みを通じて世界最高レベルの暗号コアが得られることを実証評価した。また、新たなターゲットとして、今後の市場拡大が見込まれるストリーム暗号の検討に着手し、様々な実装攻撃を評価するための環境を構築し、新たなストリーム暗号の実現に向けた基本検討を開始した。ネットワーク処理SoCに関しては、既存FPGAデバイスを用いて,最適FEC処理を実現する環境適応型通信処理システムを構築した。また、次世代の符号化方式として注目を集めているLDPF符号のハードウェアを検討した。画像処理SoCでは、国際標準MPEG4準拠で計算量が少なく符号量が増加しない暗号化方式を開発。独自の動画圧縮では動きの大きい領域について動き補償をする方式を提案し、動き補償を従来の5倍以上高速化するアルゴリズムを開発した。以上の取り組みは、北九州・福岡地域で展開されている知的クラスタプロジェクトと密にリンクを取りながら推進した。