表題番号:2004A-342 日付:2005/03/25
研究課題システムLSIの超短期設計のための基礎技術に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 教授 渡邊 孝博
(連携研究者) 大学院情報生産システム研究科 教授 吉村猛
(連携研究者) 大学院情報生産システム研究科 教授 木村晋二
(連携研究者) 理工学総合研究センター 助手 土井伸洋
研究成果概要
システムLSIの超短期設計実現を目標に,特に以下の研究を行った.
(1) 新デバイス構造LSとして,ラッチベースの回路構成を提案し,回路のタイミング最適化と動作高速化が実現することを示した.
この成果は電子情報通信学会論文誌Eに掲載された.
(2) 浮動小数点処理を固定小数点処理に自動変換するアルゴリズムを提案し,アルゴリズムのハードウェア化においての面積縮小と
動作速度向上が可能であることを示した.本成果は第12回SASIMI (Synthesis And System Integration of Mixed Information tech.)
ワークショップに採択,掲載された.
(3) 超大規模回路を実用的な時間で設計するための回路分割手法を提案し,任意数への分割アルゴリズムを作成した.
この成果は第6回IEEE広島支部学生シンポジウムで発表した.
(4) システムLSIのCPUコアへの利用を目的にμプロセッサのFPGA-IPを設計した.また,プロセッサをユーザの仕様に応じてカスタマイズ
するための設計環境を試作した.これらの成果は電気・情報関連学会中国支部連合大会,情報処理学会九州支部シンポジウム等で発表した.
また,北九州学術研究都市で行われた産学連携フェアにて展示した.
(5) 大規模なハードウェア・システムを合理的な規模の複数FPGAで実現し,FPGAエミュレーションを容易にするための分割・実装手法を
提案した.この成果は電子情報通信学会総合大会にて発表した.

以上,システムLSIの実機検証を含めて設計期間を短縮するための基礎技術 ならびに より高性能な回路を実現するための回路構成を
研究し,成果を公開した.今後はこれら基礎技術の各々を改良し,更に性能を向上させると共に,超短期設計のための一貫した設計フロー
として統合化を図っていくことが課題である.