表題番号:2004A-341 日付:2005/03/26
研究課題DNAコンピューティングによるスケジューリング問題の解法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 教授 和多田 淳三
研究成果概要
ロボットベース生産システムの最適スケジューリング問題をDNAコンピューティングによって解く方法について以下に述べる。
(1) 本研究ではロボットベース生産工程の最適スケジューリング問題の解法を提供することが目的である。この問題はロボットベース生産方式の特色として多品種少量生産の問題となる。これは組合せ最適型の問題でありNP困難な問題である。この問題を超並列計算であるDNAコンピューティングの枠組みで解く方法を提供する。
(2) すなわち、ロボットによる生産工程では複数の生産工程を同時に扱うことが可能である。この時、各生産量の変化によって最適スケジューリングが変化する。例えば、部品配列や量が変わってくる。この様な状況を考慮した生産部品の最適配置や生産スケジューリングは本質的に組合せ最適化問題であり、解くことが非常に困難である。NP困難な組み合わせ最適化問題をDNAコンピューティングでは、遺伝的配列の構造によって実現する。ここではDNAコンピューティングによってこのようなロボットによる生産工程の最適スケジューリング問題を柔軟に解く方法を提供する。
(3) 多くのスケジューリングや最適配置問題は組み合わせ最適型の問題となり有限時間内で解くことが比較的困難である。ここではDNAコンピューティングの超並列計算を実現することで短時間に解を得る方法を提供する。DNAコンピューティングの計算時間は現状のスーパーコンピュータの100倍近い計算速度が出ている。しかし、DNAコンピュータについては実用的な問題を扱う研究がいまだ少ない。本研究は現実の問題を解く方法を提供することが目的である。
1)DNAコンピューティングの研究として、エレベータの群管理最適制御を対象としてすでに研究を行い、結果を得た。
2)また、ロボットベース・フレキシブル制御の対象としてエレベータの郡が管理を行った。
3)また、最適化問題についてファジィ理論、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワークなどを用いた研究を広く行っており、非常に複雑な組合せ最適化問題の研究の結果を得ている。