表題番号:2004A-317 日付:2005/12/08
研究課題遠隔共同作業環境によるデザイン制作支援システムの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院国際情報通信研究科 教授 長 幾朗
研究成果概要
 本研究は、美術作品の評価・解析、エディトリアル、グラフィック、およびプロダクトデザイン等と今日のメディアの関連、そしてインタフェースデザイン等のハードデザインとそのインタラクション、ユーザーや制作者の心理や行動に関連したユーザビリティやアクセシビリティを実現するソフトデザイン等の課題を研究テーマとして挙げている。これらの範疇において今日最も特筆される課題とは、Human-Centered Design, Human-Centric Media等と称する、いわゆる情報デザイン分野であろうと思われる。本研究では、これらを情報の処理過程とその視覚化、および非形象の可視化の課題として取り上げ、特に美術制作やデザインワークにおけるエキスパート・スキル(熟練者の暗黙的技能)を可視化する事を目的としている。
 従来、製品やそのデザイニングでは、そのユーザビリティやアクセシビリティはその機能や形態等から導き出されていたが、今日、情報としての理解やその形態をユーザーや鑑賞者、ひいては制作者自らが決定付ける状況や環境が特に求められているため、2004-2005年においては、複数名で囲む大画面における情報提示法、および視覚化の基として西早稲田と本庄キャンパス、および映像コミュニケーション研究所間を結ぶLegible Collaboration Systemを発案・構築し、その実験を行った。本システムは、遠隔共同作業の根幹を為す環境であり、これらを基として直指操作による細部の状況や付加情報を視認可能なVisual-dimension Interact Systemの研究、および景観、イベント、伝統工芸等の写真・映像・音等によるデジタルアーカイブArchives System for Traditional Industrial Artsの研究を進めており、これらの初段階の成果を得た。