表題番号:2004A-271 日付:2006/11/17
研究課題「共生」の遺産化-フランス地域自然公園の試み
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 蔵持 不三也
研究成果概要
 本研究は申請者が長年フィールドワークを実施しているフランス東部アルザス地方の「地域自然
公園」地域で、人々が自然的・文化的環境とどのように共存しているかを、現地調査と文献調査と
によって明らかにしようとしたものである。
実際の調査は、アルザス地方中部山間部の小都市で、「ヴォージュ地域自然」事務所が置かれて
いる公園マンステール市を中心に行ったが、そこでは土地の名産マンステール・チーズとブレッツ
ェル(パンの一種)を取り上げ、今日広域的に販路を拡大しているこれら「自然食品」のなかに、
人々が土地の歴史(記憶)と共生の技術とをいかにして「遺産化」しているかを、関係者のインタ
ヴューなどから明らかにした。これらの「特産品」を生産する過程では、もとよりアルザス地方山
間部での酪農や農業(麦作)が重要な意味をもつが、本研究ではそうした産業が自然と住民との
積極的な共生を目指す地域自然公園活動の中で、実際にどのように位置づけられているかをも調査
した。

 調査日程
 2004年6月    文献調査開始
      9月3日  渡仏
      9月4日  パリ国立民衆伝統芸術博物館・国立図書館で資料収集
      9月9日  マンステールでの調査開始
      9月20日 パリにて追加資料収集
      9月23日 帰国。資料整理
      12月3日 調査報告書(仏文)、EUROETHNO(ヨーロッパ民族学会)提出
 2005年5月10日 同報告書の論集掲載決定通知