表題番号:2004A-158 日付:2008/06/03
研究課題2足ヒューマノイドロボットを用いた医療福祉機器の定量的評価法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 高西 淳夫
研究成果概要
本研究は,人間の四肢・体幹部に関して,それらが可能にする人体運動と同等の能力を持つ2足ヒューマノイドロボットを開発し,これを人体運動のハードウエア・シミュレータとして活用することを提案するとともに,これに関する基盤研究を行うことを目的としている.そこで,2003年度までに開発された2足ヒューマノイドロボットの下肢機構WABIAN-2/LLを,2足・腰部・体幹部・2腕を持つ人体運動シミュレータWABIAN-2として拡張することを研究の目的とした.また,対象となる医療福祉機器の一つとして,歩行支援機を最初のターゲットとした.
 ロボットの体幹部・腕部の設計にあたっては,整形外科・リハビリテーション分野における人体運動測定の指標を参考にして,仕様となる自由度・可動範囲が決定された.体幹部は,屈曲/伸展・左右側屈を可能にする2自由度のアクチュエータを持つ.また,腕部は肩関節3自由度,肘関節1自由度,手首関節3自由度を備える.これによって,人間が行う腕支持部への寄りかかり,上体部による歩行時の重心移動等を再現できると考えられる.また一方で,上肢部に6軸力センサーを用いた仮想コンプライアンス制御を導入し,ロボットの地面・歩行支援機に対する柔らかい倣い動作を実現させるアルゴリズムを構築した. 
 開発されたヒューマノイドロボットとその制御アルゴリズムを用いて,ロボットが歩行支援機を用いて歩行を行うことによる,模擬歩行アシスト実験を実現した.歩行実験により,歩行支援機の腕支持部高さによって,ロボット脚部・腕部に加えられる力に変化があることが測定された.