表題番号:2004A-138 日付:2005/03/04
研究課題NAS電池利用電力貯蔵システムの総合効率向上のための熱設計に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 河合 素直
研究成果概要
現在,環境問題が深刻化し,世間ではより高効率なシステムが求められている.
本研究では,NAS電池排熱をCO2ヒートポンプ式給湯機に利用することでさらなる高効率なシステムの構築を目的としている.
現在,本庄キャンパスの機械室にCO2ヒートポンプ式給湯機の実機を設置しており,レストランにて実稼動中である.排熱利用についてはNAS電池排熱の代わりに電気室からの排熱を利用している.電気室は機械室の横にあり,ダクトでつながっている.電気室は一定の温度に保つ必要があり,排熱が生じる.この排熱をダクトを通し,CO2ヒートポンプ式給湯機の熱源機に給気し,熱源機より排気され,温度が低下した空気を電気室に流し込んでいる.
データは、当該設備の管理用計装機器(山武製)により外気温度,外気湿度,電気室温度,機械室温度,熱源機作動状況,給湯量,給水温度,給湯温度を取得している.また,追加計測点として、熱源機給気温度,電気室吸入温度,電気室給気温度のデータも取得している.これらのデータにより,実際の給湯負荷に対する運転の様子を確認することが出来る.本庄のデータにより,熱源機作動時に,給気する空気は,電気室より吐き出した空気に,熱源機より排気して空気が混ざって流入していることが分かった.また,一時間に一回の割合でデータにノイズのようなものが発生している.これは一時間に一回給湯機がデフロスト運転を行っていると考えられる.
今後の展望としては,現在大久保キャンパスにおいて外気温度,給水温度に対する冷媒の応答を実験により取得しており,このデータと合わせることで一日のランニングコスト,性能評価をもとに最適な運転を模索する.また,本庄キャンパスに設置されているNAS電池のデータも現在取得中であり,NAS電池排熱を利用する際のCO2ヒートポンプの性能向上を,実際の給湯負荷のデータをもとに解析を行い,外気温度の上昇率,熱源機動作のタイミングなどの比較検討を行っていく.