表題番号:2004A-113
日付:2005/03/24
研究課題21世紀グローカル知価社会とサービス・マルチナショナルズの総合研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 | 教授 | 江夏 健一 |
(連携研究者) | 商学学術院 | 教授 | 太田 正孝 |
(連携研究者) | 商学学術院 | 教授 | 川邉 信雄 |
(連携研究者) | 商学学術院 | 教授 | 坂野 友昭 |
(連携研究者) | 社会科学総合学術院 | 教授 | 長谷川 信次 |
- 研究成果概要
- 本研究課題は、ローカルな価値観の拘束力や情報の粘着性が高いサービス・ビジネス経営主体であるサービス・マルチナショナルズ(サービス産業に属する多国籍企業)の経営行動を、「グローバル・ローカル・トレードオフ」の観点から分析した研究である。
「サービス経済化」、「知識経済化」時代とも言われる現代の世界経済の潮流に鑑みるとき、このような視点に基づき日本における国際ビジネス研究を再構築することは、いまだに商品貿易や製造業直接投資への依存が高く、サービス・ビジネス部門では欧米多国籍企業の後塵を拝している日本の国際ビジネス・コンサーンの再生に裨益するところが少なくない。
本研究の研究分担としては、太田・長谷川がサービス・マルチナショナルズの理論(とりわけ異文化マネジメント論と内部化理論)研究を、川邉・坂野が産業構造(とりわけ流通業と金融サービス業)に関する研究を行い、最後に江夏が理論と実証両面から総括し、今後の研究の方向性について考察を加えた。また、学外の研究者および実務者を招聘し、サービス・マルチナショナルズに関する意見交換を行った。
サービス・マルチナショナルズの理論研究では、サービス・マルチナショナルズに対する既存の多国籍企業理論の適用可能性について考察が加えられた。生産活動を対象とした既存理論の説明力にはある程度の限界が存在するため、今後の理論研究にむけてサービス概念の精緻化が一層求められる。また、産業構造に関する研究では、サービス産業特殊的な要因と既存の国際経営戦略に係わるコンセプト、さらにはそれらとパフォーマンスとの関係が若干ではあるが明らかとなった。
しかしながら本研究は試論的研究として行われたものであり残された課題も多い。今後の研究では、サービス・マルチナショナルズの個別事例研究を行い、国際ビジネス・国際経営研究に対して新たな知見・仮説を構築し、定量研究により、その妥当性について検証を続けていく。