表題番号:2004A-060 日付:2006/03/23
研究課題院政期浄土教思想の注釈的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 吉原 浩人
研究成果概要
 本研究は、院政期の浄土教思想の担い手である、永観(1032~1111)と大江匡房(1041~1111)の作品の註釈研究を行うことを目的としたものである。二人は、全く同じ時代を生きた人物であり、それぞれ仏教界と文人貴族を代表する人物である。本研究においては、永観の『往生拾因』『往生講式』と、大江匡房の『江都督納言願文集』巻一(身延文庫本)について、詳細な註釈を作成することを目指した。それによって、浄土教理のみならず、当時の思想・宗教・文学・歴史・美術を総合的に検討することになるからである。
 大学院生・他大学の研究者とともに、註釈を進めたが、完全な形で公刊することは、年度内にはできなかった。しかし、その成果として、1回の国際学会での発表と、2本の論文を執筆し、その一端を公表することが出来た。来年度には二松学舎大学COE報告書として、『永観講式註釈』を刊行予定であるが、そこには本研究の成果が盛り込まれる予定である。