表題番号:2004A-059 日付:2013/05/15
研究課題近代政治史における政治的賢慮の展開
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 松園  伸
研究成果概要
主にイギリス近代の政治史、政治思想史に焦点を絞って共同研究を進めてきた。とくに今回の特定課題の一部を用いて、2004年12月、ウィリアム・スペック(William Arthur Speck) 英国リーズ大学名誉教授(前英国歴史学会会長)を招聘することができた。スペック教授は1688-89年のイングランド名誉革命、および17世紀末から18世紀初頭にかけての政治史、政党史について高いレヴェルの講演を行うとともに日本人研究者との討議を深め、当時のイングランドにおける「政治的国民」(political nation)の形成について活発な議論ができたと信じる。また2005年3月には、同じく英国からハリー・ディキンソン(Harry Dickinson) エジンバラ大学歴史学部教授(現英国歴史学会会長、王立歴史学会副会長)が京都大学の招きで短期間来日しているのを機に、かれを4日間にわたって早稲田大学にも招くことができた。ディキンソン教授は主に18世紀後半アメリカ独立革命期における英国の対応についてレクチャーを行うとともに、当時の英国の政治家の政治的叡智についての討議を通じて本共同研究はいっそう充実することになった。いずれの講義、研究上の討議においても、本特定課題共同研究者だけでなく、参加者は本学専任教員、院生はもちろん東京大学、東京都立大学、立教大学、成城大学、日本学術振興会特別研究員(PD)などが多数参加し充実した討論が行われたことは、今後この課題を共同研究者が深化させていくのに大きな起動力になろう。なお研究上の成果は図書、論文、学会報告などの形で発表される。