表題番号:2004A-033 日付:2006/12/27
研究課題大学英語教育高度化のための外部試験を活用した学習者プロファイリングの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 原田 康也
(連携研究者) 教育・総合科学学術院 教授 中野美知子
(連携研究者) 商学学術院 教授 森田彰
(連携研究者) 教育・総合科学学術院 助教授 楠元範明
(連携研究者) メディアネットワークセンター 客員講師(専任扱い) 前野譲二
研究成果概要
本特定課題研究の基礎となった科学研究費の申請研究計画においては、英語運用能力についての各種試験のスコアと学習活動・学習経歴などについてのアンケート結果などを収集・蓄積・分析することをねらいとしていた。しかし、特定課題研究の予算規模では十分な学生集団に対して外部試験を受験させることが難しいため、今年度の研究においては学生の産出する音声データの収集方法を確立することを中心的な課題とした。学習者の言語運用能力を分析する基礎的な資料として、学習者の産出する英語を記録することが重要であり、近年では作文についての学習者コーパスの蓄積が各所で試みられている。また、NICT JLEコーパスのように、学習者のスピーキングの結果を書き起こしコーパスの形で蓄積し分析を加えた資料も公開されている。しかし、研究に利用できるように整理された英語学習者の大規模音声コーパスの構築と提供はこれからの課題である。
今年度の研究においては、教室におけるコミュニケーション活動の様子を記録しつつ、高品質な音声データとして記録できる装置の開発と運用手法を模索した。一人一台のパソコンを使用する環境を前提として、個別の音声キャプチャ装置を使用し、デジタル化した音声ファイルを回収する手法も検討したが、教員によるファイルの一元的管理が難しく、マルチチャンネルのデジタル・オーディオ・レコーダを中核に、プリアンプとマイクをセットアップし、30人規模の英語の授業において3人一組で少人数グループを構成してコミュニケーション活動を行う状況を同時に録音できる装置として、12チャンネルのハードディスク・デジタル・レコーダを構成した。教室内で10グループほどが同時にコミュニケーション活動を行うため、他グループの音声がノイズとなり、聞き取りにくくなることを心配していたが、試用の結果、人間が聞く限りにおいて、きわめてクリアな音声の収録が可能となった。