表題番号:2003C-015 日付:2014/04/12
研究課題日米IT産業の比較経済分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 教授 土門 晃二
(連携研究者) 国際教養学術院 教授 中村 清
(連携研究者) 大学院国際情報通信研究科 教授 三友 仁志
(連携研究者) Warwick University, UK Professor Cave, Martin
研究成果概要
 情報通信分野においてデジタル化の流れは、インターネットに代表される通信の枠を超えて、放送の分野に拡大してきている。また、通信と放送という垣根自体を時代遅れのものにしつつある。この国際共同研究では、米国と日本におけるデジタルTVの考察を中心にし、他の先進国も含めて、その政策、現状、および理論的な分析を行った。最初に、各国のデジタルTVの進展の現状について、規制当局の政策的な観点も含めて考察を行っている。デジタル化への完全移行の手続き、また通信との関連における法整備の現状など、各国の事情における比較を行うことで、デジタルTVの解決されるべき問題点を浮き彫りにしている。また、放送コンテンツのデジタル化では、違法コピー問題は重要な要素になっている。法律的および経済的な観点から、デジタルTVの違法コピー問題を取り上げ、その効果および対策について分析を行っている。最後に、産業構造的な観点からデジタル化する放送産業の考察を行った。デジタルTVでは、受信機のデジタル化のみではなく、放送設備のデジタル化が大きな負担となっている。各国のTV網の違いによりその負担の違いが存在し、そのことによって政策の進め方も大きく異なってくる。以上の考察の成果は、研究会および私的な打ち合わせにより原稿としてまとめ上げられており、英文により出版予定である。章立てとして、
Part I: The Developments of Digital Broadcasting
Part II: Rights issues and digital broadcasting 
Part III: Digital Broadcasting and Platform Competition
となっている。このようなデジタルTVについての包括的な書籍は今までに存在しておらず、その重要性は大きいものと考えている。