表題番号:2003C-006 日付:2008/05/31
研究課題大学の国際化に関する日独比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院法務研究科 教授 田山 輝明
研究成果概要
 本特定課題研究は、参加メンバーが研究期間中において個別に研究を遂行したことはもとより、その集大成として以下のような国際ワークショップの実施によって締めくくられた。以下、これに関する報告を中心にして、本研究課題の報告としたい。
 本特定課題研究のグループは、「大学の国際化をめぐる諸問題-日本・ドイツ・中国のケース」と題する国際ワークショップを、2005年3月17日午後から翌18日(金)の夕方まで、早稲田奉仕園を会場にして開催した。
初日は、研究代表者の田山輝明が基調報告を行った後、東アジアにおける大学の国際化の動向を討論するセッションとして設定し、本学理事(国際交流担当・当時)小口彦太が「早稲田大学と北京大学他との双学位制度について」と題して報告し、それに続いて中国人である王智新(宮崎公立大学教授)が「双学位制度への評価と中国の大学における留学政策」と題して報告した。それを受けて参加者全員で討論を行った。
二日目の前半は東アジアと同様に国際化が遅れているとされてきたヨーロッパ諸大学における動向を考察するセッションとして設定し、まず、ドイツ大使館文化担当官であるDr. Wolfgang Brennが「ドイツの大学の国際化をめぐる諸問題」という報告を行い、さらに「ヨーロッパにおけるボローニャ宣言以降の動向と課題」と題して、ベルリン・フンボルト大学教授J. Schriewer の報告(在京中のD. Hedinger氏が代読)とオックスフォード大学で研究中の鶴田洋子の報告がなされ、引き続き討論をした。
この日の午後のセッションは、大学における国際化の意義を考察する場として設定し、早稲田大学名誉教授鈴木慎一が「国際化される『大学』の新しい意義はなにか」という報告を、また早稲田大学教授八巻和彦が「東アジアの大学における共通教養教育を求めて」という報告を行った。さらに、若手の研究者である劉文君, Daniel Hedinger, Nadin Heé, 鴨川明子らが、「交流する学生の生活:実態と課題」と題して、自らの留学経験をふまえつつ各自報告をした後、参加者による自由討論を行い議論を深めた。
なお、本研究課題は終了後、長島啓記氏(早稲田大学教育学部教授)とJ. Schriewer氏(ベルリン・フンボルト大学教授)の共同研究プロジェクトへと発展的に引き継がれており、2007年4月13日から15日に早稲田大学において国際シンポジウムが開催された。
これらの成果は、英文で刊行されることになっており、目下、その準備作業中である。