表題番号:2003B-045 日付:2005/11/21
研究課題高齢化社会の保健医療政策に及ぼす予防医学の役割-日本と中国の比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 町田 和彦
(連携研究者) 人間科学部 教授 太田冨貴雄
(連携研究者) 人間科学学術院 教授 吉村正
研究成果概要
2003年9月から予定していた本研究費による天津市での調査が2003年冬から夏まで流行した中国のSARS騒動により打ち合わせが十分出来なかったため半年遅れて、3003年12月より医療費の調査を、2004の3月に初回の医療行動調査の検診を行った。検診は天津医科大学看護学部の学生(5年制)の協力により日本での調査同様な方式により以下の項目が行われた。1.面接調査:ストレス度、ADL、モラールテスト、ライフイベント、食生活、酒、タバコ、既往歴、現在の健康状態、運動習慣、居住環境、生活習慣(家族構成等)、2.機能検査:血圧、体温、肺活量、握力、開眼片足立ち、棒反応時間、歩行能力。3.血清生化学検査16項目4.血液・好中球貪食能・活性酸素産生能(標本作りのみ、測定はこれから行う)。5.尿検査.この検診後から1年間万歩計(全員、週3回測定))と血圧計(7人に1台、週1回1日3回測定)を配布し、運動量と家庭内血圧測定による血圧の管理を実施した。この調査を踏まえ、9月と3月に同様な調査を行った。受診率は3月月が95%、9月が85%、20005年3月が70%と日本では考えられないほどの受診率を示した(日本では約20%)。血液の国外持ち出しは禁止されているため血液関係の検査は天津医科大学に頼んだ。膨大なデーターのため現在集計中であるが、一部については未来医療研究所主催の2004年度7月と2005年度3月のシンポジュームおよび2005年3月に新潟市で行われた第74回日本衛生学会で下記のようにいろいろな側面から発表を行い、現在論文にまとめている。中国は共産主義体制をとっているが、医療保険制度の面では完全給付制度は崩れ、毎回実費で支払いを行い、年1回の精算という厳しい保険制度を採っており、政策的によりせっきょぃてきな予防医学的制度の徹底と代替医療の積極的導入の必要性を感じた。検診の結果によると食生活(油の使用の多いためか)拡張期血圧が以上に高く、またHDLコレステロールが低い傾向が認められた。今後の免疫学的結果を見てさらに考察を考えて生きたいと思う。