表題番号:2003B-015
日付:2006/11/18
研究課題平成15年の東京都知事選挙における投票動向と候補者イメージについての研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 | 教授 | 森 元孝 |
- 研究成果概要
- 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C)(2)において、03年4月の東京都知事選挙における投票行動についてアンケート調査を実施しているが、この調査研究を十分に実施するために本研究費の一部を充当した。またおよそ40パーセントを、東京都知事選挙における投票動向に見られるシンボル性、とりわけ都知事のパーソナリティ、メンタリティへの雰囲気的支持という現象を別の局面から分析するために使用した。すなわち、神奈川県逗子市で発生している池子米軍住宅追加建設問題への逗子市長の行動とその意味を分析していくために、逗子市内および横浜市金沢区で同問題についてどのように捉えられているかについてのアンケート調査を実施している。
現逗子市長は、現東京都知事をひとつの政治的理想としていることもあり、またその政治手法も、かつて逗子市で着目された住民投票決定主義とは異なる、市長主導型のそれであると解釈することができる。調査のねらいは、住民自治を強く標榜していた草の根民主主義に指向した公共性実現の時代から、きわめてシンボル性に飛んだ指導者民主主義型の公共空間の形成の時代に変化していったことを跡付けることを基本仮説として、基礎データの収集を行うことがにある。これと、過去に収集してきた住民投票決定主義時代の相当量にのぼる保有データおよび分析結果とつき合わせて、時代の変化と選挙民の変化、そして地方自治の理念の変質について検証していくことを考えており、さらにこれを東京都知事選挙および都知事の政治力と選挙民の支持構造という関係を説明していく際の支持材料として用いることを考えている。2004年度日本ドイツ社会科学会大会において、ヨーロッパのポピュリズムとの比較で本研究の一部について報告をしたがら、2005年度日本社会学会大会において、さらに深めた研究成果の一部を報告する。