表題番号:2003B-004 日付:2005/02/24
研究課題占領期社会、人文雑誌目次データベースのためのシソーラス構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 山本 武利
(連携研究者) 政治経済学術院 教授 梅森 直之
(連携研究者) 政治経済学術院 教授 宗像 和重
研究成果概要

 代表者は占領期雑誌記事情報データベース化プロジェクト委員会を結成し、平成12年度から科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を受け、プランゲ文庫所蔵全雑誌の目次情報のデータベース化を行う「占領期雑誌記事情報データベース」作業に取り組んでいる。すでに平成12年~14年分のデータベースが完成し、インターネットで一般公開されている(http://www.prange.jp)。現在5ヵ年計画の第5年度の作業が進行中である。
今回の申請プロジェクトは、このデータベースのコンテンツを順次更新し、数十倍にヒット率を上げ、利用価値の高いものにするのがねらいである。その際、従来不十分にしかなされなかった占領期雑誌検索用のキーワードの構造化された統制語彙集、つまりシソーラス構築の作業を中核に据えた。
私たちは20世紀メディア研究所を作り、そこを編集、発行の母体に、平成14年3月には、雑誌『Intelligence(インテリジェンス)』を創刊した(発売は紀伊国屋書店)。同誌には、研究会の発表内容を中心に、日米の研究メンバーや一般の研究者の寄稿が掲載されている。もちろんプランゲ文庫の記事や関連の特集を毎号組んでいる。雑誌は好評なため、年2回に刊行されることになった。なお研究所のホームページも開設された(http://www8.ocn.ne.jp/~m20th/)。ここへのアクセス数も着実に増加している。
研究会や雑誌のオーディエンスからはデータベースの価値を評価する一方、さらなる便利なデータベースを求める声も強い。内外の研究者やマスコミから高性能のデータベース構築が要請されている。インターネットの登録者が多い割には、アクセス数やリピーターが少ない。
データベースの利用度を高める正攻法は当面、キーワード検索を至便にするしかない。入力記事件数や入力情報が予想より上回ったため、本文の情報とくにキーワード入力が小見出し以外入力できなかった。また執筆者の別名、ペンネームや略号、外来語といった同義、関連、上位、下位のキーワードの意味的関連リスト、つまりシソーラス情報の入力作業がきわめて不十分であったことを痛感させられた。
特定課題研究助成金のおかげで、社会、政治、文学関係のシソーラス研究は進み、その成果は今後データベースに投入される。