表題番号:2003A-946 日付:2004/03/26
研究課題Java」による一貫圧延・冷却プロセスシュミレータの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 教授 大貝 晴俊
研究成果概要
 Javaを用いて、FortranやC言語で作成した部分シミュレータを統合するプロセスシミュレータの統合技術を開発した。JavaのJNIを用いてFortranのコモンブロックとCの構造体、そしてJavaのクラスを相互対応できるようにしたことと、部分シミュレータを共有ライブラリ化して、Javaからそのラブラリィに登録したプログラムを起動できるようにした。また、JavaのRMI技術を用いることにより、分散環境で、部分シミュレータを実行することも可能となっている。
 このJavaのシミュレータ統合技術を、熱延の圧延、冷却プロセスに適用し、一貫の圧延・冷却シミュレータを構築し、シミュレーション実験をおこなった。また、実際の熱延プロセスで実測した温度データと冷却後の最終形状の実測値より形状の予測精度を検証した。良い結果が得られ、一貫プロセスシミュレータの有効性が確認できた。
 圧延および冷却過程での形状の変化過程については、FEMの結果と比較した結果、よい計算精度を実現していることが判明した。
 圧延の計算モデルは、4重および六重圧延機の圧延の幅方向の板厚分布と張力分布を計算できるものである。冷却モデルは、ランアウトテーブル、コイラー、空冷を計算できる汎用計算モデルとして実装している。
 Javaの統合シミュレータ環境で、上記の圧延モデルを複数の圧延スタンドとランアウトテーブル、コイラー、コイル置き場、精整工程での冷却モデルを順次起動して一貫の圧延・冷却シミュレーションを実現している。
 今後の課題として、一貫の形状制御や材質制御について検討していく予定である。