表題番号:2003A-866 日付:2005/03/02
研究課題局所定常過程の統計解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 谷口 正信
研究成果概要
(I)局所定常過程の統計解析の基礎研究を行った。具体的な成果としては
(I-1)非正規局所定常過程に対する局所漸近正規性(Local Asymptotic Normality (LAN))を示した。
(I-2)LAN に基づき、局所定常過程の未知母数推定、検定、判別の基礎理論を構築した。
   これは、最尤推定量の漸近最適性、Central Sequence に基づいた検定の漸近最適性。
   擬似尤度に基づいた判別統計量の漸近最適性等である。

(II)非正則な時系列モデルの推測の基礎理論を構築した。具体的には
(II-1)連続でないスペクトル密度関数の推測論。このような時系列モデルはLAN性をもたず、上述の
   結論が成立たないことをしめした。
(II-2)この場合は最尤推定量は漸近最適とならずBayes推定量が漸近最適となることが判明した。

(III) 生体工学データへの時系列解析の応用。これは、ある疾病の患者の脳波と筋電波の相関関連解析に
 極めて一般的な多次元金融時系列モデルを適用し、意味ある結果を得た。
(III-1)まず、このモデル(CHARN)に対してLAN性を示した。
(III-2)これに基づき、漸近最適な推測、検定論を行った。
(III-3)脳波、筋電波に適用し、今までにない、これらの相関構造をあきらかにした。