表題番号:2003A-073 日付:2004/03/24
研究課題非線形微分法的式の変分法を用いた解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 田中 和永
研究成果概要
R^N における非線型楕円型方程式の研究, 特にその特異摂動問題に関する研究
において成果が得られた.

まず, 代表者は L. Jeanjean 氏との共同研究により R^N における非線型 Schrodinger
方程式に対する特異摂動問題に関して進歩がみられた. 特に, 今まで扱うことが
できなかった広いクラスの非線型項 --- 漸近的に線型の増大度をもつ非線型項をも許容する
クラス --- に対しても epsilon -> 0 のときポテンシャル V(x) の極小点に集中し,
スパイクを形成する解の族の構成に成功した. ここにおいて, 昨年までの研究で得られた
least energy solution の Mountain Pass Theorem による特徴付けが非常に重要な
役割を果たしている.

また Y. Ding との共同研究においては非線型 Schrodinger 方程式に対して異なるタイプの
特異摂動問題を考察し, 従来知られていたものよりもより複雑な multi peak パターンを
極限とする解の族の構成に成功した.

また 1 次元の特異摂動問題についても従来考察されていない高エネルギーをもつ解の
クラスに関する研究においても Felmer 氏, Maritinez 氏との共同研究により,
その極限の energy limit function を用いた特徴付け, energy limit function の
みたす極限方程式の導出, 極限方程式の解に対応する存在結果を得ることができた.