表題番号:2002B-029 日付:2014/03/12
研究課題英語環境における遠隔教育を利用した国際情報コミュニケーション教育の実践と評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 保崎 則雄
研究成果概要
英語力を育成するには、1)英語だけを教える初期段階、2)目的を持って英語力を練成する中期段階、3)英語環境にて学習活動を行う最終段階の3ステージが噛み合う必要があるが、多くの高等教育機関では、1)、2)の段階までの教育である。さきほど文部科学省から発表された2002年度のデータによると、「外国語による授業の実施状況」は、国立79校、公立29校、私立210校と前年度から20%ほど増加している。
本実践研究では、ゼミ(メディアコミュニケーション)履修の3年生13人を対象にして、最終段階での教育を、「情報教育」の中のメディアコミュニケーション課題(日米TVCM比較分析、映画スターのCM、ペットボトル茶のCM)において行った。具体的には、人間科学部の海外協定校である、米国オハイオ州クリーブランド市のCase Western Reserve Universityと連携して、1)事前交流としてのメールによる自己紹介、情報交換、2)相手校でのプレゼンテーション、3)相手校でのTAとしての経験、4)相手校での他分野での授業聴講 の4種類をすべて英語使用環境で実施した。
学生への面談、担当者評価を中心とした調査結果として、以下のことが明らかになった。
1)伝達方法としての英語力は、コンテンツの理解の度合いが深いほど気にならなくなった。
2)コンテンツを理解したことをを文化の違う相手に伝えて同様の理解をしてもらうためには、言語負荷を軽減させる手段としてのメディア活用が重要である。
3)なによりも英語で意思疎通をすることの難しさと重要性を体験的に理解できた。
4)伝達するメッセージのモード(映像、音声、文字、身体動作)には効果的な組み合わせがあり、それは伝達場面で決定されるものである。
5)メディア使用、英語使用に関しての意欲は、間接体験、実体験の両方を行うことにより増した。
6)仮想体験と実体験の組み合わせにより学習は完結する。