表題番号:2002B-006 日付:2004/03/19
研究課題古代社会の発展と都市化の比較考古学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 菊池 徹夫
研究成果概要
 昨年度におけるフィールド調査の成果に基づき,それぞれのフィールドにおける
調査・研究をさらに深め,比較考古学的方法論をさぐるための資料収集に努めた.
 研究代表者の菊池徹夫と研究分担者の高橋龍三郎は,夏季に北米大陸北西海岸部
を巡検し,特にハイダやトリンギットといった北西海岸に住むアメリカインディア
ン諸部族について、新たに比較考古学的検討の基軸となるような(特に日本列島の
縄文文化をはじめ,世界各地の先史社会を比較検討するうえで重要な)成果を得る
ことができた.この成果報告の一部は、『史観』第150冊に掲載される。
 研究分担者の寺崎秀一郎は,昨年度より比較考古学的検討の軸の一つとしてあげ
られているメソアメリカ地域・ホンジュラスのエル・プエンテ遺跡における発掘調
査を継続し,遺存状態が良好で修復可能な石造建造物の発見など大きな成果をあげ,
新聞(国内最大発行部数のLa Prensa紙では2・3面見開き)やテレビといった地元
メディアに大きく採りあげられた.
 また,この他,菊池徹夫はカムチャッカ半島南部において,研究分担者の岡内三
眞は中国新疆ウイグル自治区および韓国において,高橋龍三郎はパプア・ニューギ
ニアおよび日本において,近藤二郎はエジプトにおいて,谷川章雄は日本国内にお
いて,小髙敬寛はシリアおよび日本において,各自の野外調査を精力的に行ない,
個別の事例にかんする資料収集を行ない、研究全体のいわば基礎固めを行った.
 これら活動の成果報告は、これから順次様々な形で行うつもりである。 
 以上のような本年度の諸活動に、菊池を代表者とする文部科学省科学研究補助費
(基盤研究B2)とともに、本特定課題研究助成費を有効適切に使用した。
 記して感謝の意を表する。