表題番号:2002A-897 日付:2003/11/26
研究課題日本のハイテク産業の国際競争力研究-日米欧産業比較
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院国際情報通信研究科 教授 小尾 敏夫
研究成果概要
 1990年の日本のバブル崩壊、2000年のIT革命の隆盛期の原動と言える欧米ハイテク・バブル及び崩壊を経て、日米欧3極のハイテク産業は温度差はあるが低迷期を迎えている。また、中国、インドなどアジア主要IT立国の追い上げも日米欧ハイテク産業への挑戦と映っている。本研究はこうした過去5年の激動期における各国・地域の産業政策の比較に重点を置いた。とくに、ハイテク産業の国際競争力の強化をどう比較評価策定してきたかが研究課題の中心を成す。
 基本的視点は、日本経済の再生の起爆剤としてハイテク産業の競争力強化が問われている現在、欧米諸国の産業政策を分析し、国際競争力の源泉及びインパクトを探求することであった。そのために、主要グローバル企業のキャリア、ベンダー両サイドを対象としたケーススタディ(エリクソン、ノキア、シーメンス、アルカテル、モトローラ、BT、フランス・テレコム、ドイツ・テレコム、AT&Tなど)を踏まえて、各ハイテク企業の特性を研究・分析した。研究はまだ過渡的段階であるが、世界的潮流として、固定電話→モバイル/IP電話化、音声→データ通信、ブロードバンド化、ハードウェア重視→ソフトウェア/ソリューション・ビジネス化などの産業転換、技術革新、サービス・ビジネス・モデルに集約できる。研究成果は内容を充実した上、今後学会、出版物などで発表していきたい。