表題番号:2002A-884 日付:2003/05/07
研究課題個人メドレー種目における一流競泳選手の泳ぎの特徴に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 助教授 奥野 景介
研究成果概要
 本研究では、個人メドレー種目に出場した一流競泳選手を対象に、レース分析結果をもとに泳ぎの特徴を把握し、各選手の競技力向上のための課題を策定することを目的とした。
 本研究の特色は、メダル獲得の可能性の高い種目に着目し、一流競泳選手の泳ぎの特徴を明らかにすることである。その結果、競泳の国際大会での競技力向上に貢献できる。同時に一流競泳選手の優れた技能を獲得するための情報を蓄積できる。
研究方法は、日本水泳連盟医・科学委員会によって従来から行われてきたレース分析法にしたがって実施した。それは、試合会場の観客席からビデオカメラによってレースを録画し、その映像から、レースの各局面の情報を得るものである。レースは、4つの局面に分類する。すなわち、スタート局面はスタートから15mまでの区間、ターン局面はターン前5mからターン後7.5mまでの区間、フィニッシュ局面はゴール前5mの区間、そしてストローク局面は上記以外の区間に、それぞれ分類し、定義する。また、各局面の時間情報およびストローク情報を求める。すなわち、時間情報はスタート、ターン、およびフィニッシュ局面の所要時間およびおよび1ストロークサイクルあたりの所要時間(ストロークタイム)であり、ストローク情報はストローク局面における泳速度、ストローク長(1ストロークサイクルあたりに進む距離)、ストローク頻度(単位時間当たりのストローク数)である。
 本研究の結果、個人メドレーを専門とする選手の競技会におけるレースパターンの特徴を把握することができ、競技力向上のためのコーチングに役立つ情報を得ることができた。それは、対象選手の個人内変動を追跡調査し、ストローク長やストローク頻度を個人メドレー種目で用いられる4泳法(バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロール)の特徴を知り、レース戦略に役立たせることができた。