表題番号:2002A-582 日付:2004/03/24
研究課題女性と障害者のためのスポーツプログラムに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 専任講師 堀野 博幸
研究成果概要
これまで,女性の身体的特性や心理的特性に関する研究報告はなされている.しかし,スポーツ現場の指導者にとってアプローチが容易な情報としては,ほとんど発信されていなかった.そこで,本研究では,サッカー競技を取り上げ,次の研究調査を実施した.
【研究調査および結果】
1. 女性スポーツに携わる指導者の指導法と意識に関する実態調査

(1) 女性スポーツのトップレベル指導者に関する調査
トップレベル指導者への聞き取り調査と指導現場へのフィールド調査を行った.
その結果,世界を基準としたコーチングが重視されていることが判明した.また,
世界で勝利するために,若年層からどのような課題を克服すべきかを検討する.
そして,検討結果を普及・育成プログラムに反映する努力がなされていた.

(2) スポーツの女性指導者養成プログラムに関する調査
女性指導者として活躍する人材へ育成プログラムに関する実態調査を行った.
その結果,女子指導者の育成に成果が認められた.しかし,競技人口など地域間
格差は大きく,女性指導者の育成の難しさが顕在化していることが判明した.

2. スポーツに参加する女性アスリートの傷害調査

(1) スポーツ損傷の特徴:受傷の部位,症状,機転など
女性スポーツのスポーツ損傷について,実態調査を行った.その結果,男性に
比べて,膝部位の損傷に特徴があるなど,いくつかの知見が得られた.また,受
傷の原因として,内的要因が大きく関与しており,トレーニング環境などの改善
の必要性が示唆された.

(2) スポーツ損傷のケアシステム:応急処置の実施状況と認識など
スポーツ損傷の処置などについて,実態調査を行った.その結果,若年期から,
応急処置方法やその重要性を認識させていく必要性が示された.また,スポーツ
現場のケアシステムは,大学年代から整備される傾向が認められた.しかし,有
資格者の確保など,未だ未解決の課題が残存することが判明した.