表題番号:2002A-571 日付:2004/05/17
研究課題第二次世界大戦後のイギリスのEU統合への対応過程研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学部 教授 東條 隆進
研究成果概要
1.2003年度発表した研究論文は以下の三点である。

  1.「ECへのイギリスの加盟過程(1945~1973年)研究」
   早稲田社会科学総合研究、第4巻第2号,2003年11月

  2."Japan's Modernization as a Process toward Globalization"
   Waseda Studies in Social Sciences, Vol.4. No.3, Mar.2004

  3.「シュンペーターと経済社会学(10)」
   ソシオサイエンス第10号2004年3月


2.第1論文は2002年から在外研究員としてイギリス・ケンブリッジ大学で研究した研究成果である。第二次世界大戦中、イギリス首相ウィンストン・チャーチルが「ヨーロッパ審議会」が必要であるといい、1946年チユーリヒでの演説で「ヨーロッパ合衆国」が必要であるといった。しかしその後イギリスは逡巡し始め、実際に「ECに加盟したのは1973年であった。その理由は何であったのか。本論文で追求したのはこの問題であった。
第2論文は現在の2大世界観の対立である「グローバリズム」と「文明の衝突」論の対比のために日本のグローバル過程への参加を中心にして論じた。この論文はハンチントンの「文明の衝突」は歴史的検証にたえないと言う立論で構成されている。フランシス・フクヤマ的グローバリズム論も歴史的検証にたえがたいという立場で論じられている。
第3論文はソシオサイエンスに連載している「シュンペータと経済社会学」論文の第10論文である。シュンペーターの体系を経済社会学という学問範疇として解釈している論文であるが、本論文では世界恐慌をどのようにシュンペーターが観ていたかを解明しようとしている。