表題番号:2002A-525
日付:2006/04/27
研究課題批判的談話分析の視点を用いた異文化理解の試み―捕鯨に関する報道の分析を中心として
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育学部 | 助教授 | 村田 久美子 |
- 研究成果概要
- 2002-3年度は、まず、日英双方の捕鯨に関するデータの構築に務めた。特に英国のインデイペンダント紙の過去14年間、ガーデイアン紙過去5年の捕鯨に関する記事を全てチェックし、捕鯨のコーパスを構築する作業を進めた。2002年までの記事の入力についてはほぼ終了し、現在は、2003年度版のデータの構築と、これと並行して、捕鯨と似た状況にある北海のたら漁業や、また、英国の狐狩りの記事等についても動物愛護、地元産業・文化・伝統の維持等の観点から、比較の目的で調査・収集を発展させている。捕鯨の記事との比較・分析によると、言語使用表現の面からも違いが顕著に表れ興味深い。この試みの一部は、2002年4月ベルギーで開かれた社会言語学シンポジウムにて発表し、これを更に発展させて、2002年12月にシンガポールで開催された国際応用言語学会でも口頭発表し、関連の論文を2003年2月に『学術研究』に発表した。更に、日英読者が英国の新聞論説をいかに受け止めるかという調査・分析も進め、その結果の一部を2002年9月の大学英語教育学会年次大会で口頭発表、2003年度には、この視点の調査・分析を更に発展させ、11月に韓国で開催されたアジア英語教育学会で口頭発表し、この論文は現在国際学術誌に投稿中である。また、読者が記事をどのように解釈するかを詳しく調査するために2003年度夏から秋にかけては読解テスト形式のアンケートを、日英の大学生・院生を回答者として実施した。これについては、更に分析を続けていく予定であり、データの構築も更に発展させていく予定である。
以上の結果の一部は2002-3年の授業等でも一部紹介しており、今後この結果を踏まえて、系統だった異文化理解・教育につながる教材等の開発にも繋げていくことができればと考えている。