表題番号:2002A-116 日付:2003/10/02
研究課題高大一貫教育校での高等学校物理のあり方
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 影森 徹
研究成果概要
 高大一貫教育校での高等学校物理には大きく分けて2つの役割がある。ひとつは日本国民としての一般教養として、もうひとつは専門教育の準備段階としての物理教育がある。この一見すると全く性質の違うように見える教育は、実は多くの場合目指すところは科学的なものの見方考え方ができるようになることであり、2つの違いはその中で使われている数学の程度や扱う事象の差くらいでしかない。
 そこで本研究ではアメリカの教育学者ジョーセフ・S.レンズーリの提言するSEM理論である「ハイタレントな生徒への教授方法はすべての学校教育で応用することができる。」ということを念頭に置き、本学院で実際に取り組んでいるハイタレントのための補習授業の研究が、一般教養として物理を学んでいる生徒にとっても効果的に利用できることを検証した。
 対象としたハイタレントな生徒は1年生の理科系進学希望者40名であり、放課後の補修と言う形を取った。この補習授業は数学と理科と恩コラボレーション型授業の形態をとり、数学で得た知識を理科で活用するといった連携を図った。特にその授業の中で行った探求型の教材は少し頑張れば大きな発見や感動が得られるものを選び、達成感が得られるものとした。また、その探求活動の成果を発表させる機会を持つことにより、自分自身の学習の深度を深められ、将来の学部選択へも好影響を与えることがわかった。
 また、理科系学部進学者のための基礎力要請方法なども模索し、大学へのスムーズな連携法も模索した。