表題番号:2002A-049
日付:2003/04/03
研究課題科学技術計算における品質管理及び信頼性向上のための精度保証付き数値計算
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育学部 | 助手 | 荻田 武史 |
- 研究成果概要
- 本年度は、対称行列における連立一次方程式の数値解の精度保証、その保証精度の高精度化、そして分散型並列計算機(PCクラスタ)上での
連立一次方程式の数値解の精度保証および行列の固有値の精度保証に関する研究、さらに、内積計算の高精度計算に関する研究を行った。
2002年度の研究発表は以下の通りである。
1. 荻田 武史, 後 保範, 大石 進一: スパース行列用直接解法の高速化と精度保証,
第31回数値解析シンポジウム(NAS2002) 講演予稿集, pp.33-36 (2002/6/12-14)
2. 荻田 武史, 西蔭 崇一, 大石 進一: 大規模行列に対する連立一次方程式の数値解の精度保証,
日本応用数理学会 2002年度年会 (2002/9/19-21)
3. 荻田 武史: (依頼セミナー)連立一次方程式の数値解に対する精度保証の現状, LA研究会, 東京大学理学部 (2002/11/16)
4. 荻田 武史: (依頼セミナー)連立一次方程式の数値解の精度保証と並列計算,
第56回 関西可積分系セミナー, 京都大学工学部 (2002/11/19)
5. 荻田 武史, 大石 進一, 後 保範: (依頼講演)Strassenのアルゴリズムによる行列乗算の高速精度保証,
研究集会 [微分方程式の数値解法と線形計算], 京大数理解析研究所 (2002/11/20-22)
1では,係数行列がスパース行列(非ゼロ要素が極めて少ない行列)である場合に,直接解法によって高速に数値解を得る方法と
その精度保証をする方法を提案した。
2では,PCクラスタを用いて精度保証をするときの問題点と解決案を示した。
3では,連立一次方程式に対する精度保証方法の現状についてまとめ,今後の課題を示した。
4では,連立一次方程式に対する精度保証方法とPCクラスタへの適用例を示した。
5では,線形計算の基本である行列乗算の高速な数値計算法に精度保証付き数値計算を適用する新しい方法を提案した。