表題番号:2002A-011
日付:2004/11/24
研究課題WTOの紛争解決事例と新ラウンドにおける多角的貿易交渉の相互関係
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 法学部 | 教授 | 清水 章雄 |
- 研究成果概要
- 1.研究課題の調査方法
(1)WTO文書の調査
WTO加盟国政府及びWTO事務局が作成した諸文書で研究課題に関連するものをWTOのホームページよりダウンロードし、その内容を検討・分析した。主に使用したのは、WTO紛争解決手続の小委員会及び上級委員会による加盟国間の紛争に関する報告並びに多角的貿易交渉の内容となりうる事項を扱った種々の文書である。
(2)関連書籍及び雑誌論文の調査
研究課題に関連する書籍、専門雑誌の論文等を購入、閲覧又は複写の上、その内容を検討・分析した。上述の小委員会及び上級委員会の報告を扱ったもの及びこれからの多角的貿易交渉において問題となる事項を扱ったものを中心とした。
2.研究課題の公表
(1)関連論文の執筆・刊行
これまでに補助金及び相殺措置協定に関するWTO加盟国間の紛争の検討を行ってきたので、その続きとして、今回は特にカナダの小型航空機の輸出信用制度に関する紛争を詳細に検討することとし、上述の調査を活用してこの紛争について執筆し、後述の調査報告書に掲載する形で公表した。
(2)今後の関連論文の執筆・刊行
2001年のWTOドーハ閣僚会議において新しいラウンドにおける多角的貿易交渉が開始されたものの以後の交渉は進み具合は遅く、現行のWTO協定の改正又はルールの明確化が必要な事項についても、加盟国間の交渉による対応よりも、実際の紛争解決における上述の小委員会及び上級委員会によるルールの解釈適用により対応が進んでいる場合があることがこの特定課題についての調査からうかがわれる。そこで今後は、例えば加盟国の環境保護と貿易の自由化の問題のような特定の分野について、WTO協定の規定の解釈がどの様に行われてきたかを分析し、その意義を検討するという内容の研究の成果をしめす論文の執筆・刊行を予定している。