表題番号:2002A-008 日付:2003/07/28
研究課題植民地とジェンダー―日本占領下の中国女性作家群像
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 岸 陽子
研究成果概要
近年,「植民地と文化」というテーマで,日本占領下の上海および「満洲国」における中国文学の研究を行ってきた.2001年度は,汪兆銘政権下の上海において,日本の著名な女性作家佐藤俊子と中国の女性詩人関露により創刊された女性月刊誌『女聲』についての研究成果,「日本占領下の上海文学――華文女性月刊誌『女聲』をめぐって」を公刊した(宇野重昭編『深まる侵略,屈折する抵抗』所収,研文出版,2001年).
その後,その『女聲』に前史と後史があることを知り,2002年度は三つの異なる時期にわたる同名の雑誌の関係を,上海や北京の図書館に収蔵されている資料および関係者からの聞き取りなどを通じて明らかにした.その成果は,2002年9月に北京で開催された国際シンポジウム「戦後五十年における中日文化関係の回顧」で報告,近く公刊される同シンポジウムの論文集に収録される予定である.
ほぼ同時進行で,同じく日本の支配下にあった「満洲国」の中国文学にも研究を広げ,2002年度には下記のような成果を発表した.これらは,近日中に単著にまとめて公刊する予定である.