表題番号:2001C-101 日付:2003/07/25
研究課題考古出土文物と祭祀儀礼・芸能よりみる中国基層文化の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 第一文学部 教授 稲畑 耕一郎
(連携研究者) 文学部 教授 和田 修
研究成果概要
 本研究は前継課題1998-99年度文部省科学研究費補助金基盤研究C(一般)「中国西南の仮面劇と基層文化研究」の成果と国際共同研究体制を元に、従来多くの研究者と研究成果を擁する民俗学・民俗芸能分野と、考古学分野の研究交流を行うことで、新たな「中国基層文化」表象研究の着眼点の提出を企図する。例えば、文献資料には残されることの少ない基層文化を構成する諸要素(具体的には芸能や駆邪にかかわる習俗を中心とする)を、記録に残りにくい民間の芸能活動と、地下から発掘される古代遺物等、素材を異にする領域から収集し、それを統合的に再構成する。これによって、中国・東アジアの文化を考察するうえで窮めて有効な、マクロな人類学的視点を提供することとなろう。こうした着想をもとに、海外共同研究者のタク修明教授・陳玉平助教授(以上貴州民族学院)・冉文玉研究員(貴州省道真県宗教事務局)とともに貴州省道真県の以下の地区について調査を行った。/玉渓鎮沙[土+貝]村:朱明貢・冉根進/玉渓鎮上[土+貝]郷民順村:冉根陽/隆興鎮 張国政・張幇虎・張幇年・張幇憲・張国木ら/玉渓鎮巴漁村:張樹祥/三橋鎮夏家溝鎮/また、道真県城にて陳均(玉渓鎮構樹村茶園組)法師の実演並びに聞取り調査を行った。更に道真にて現地研究者の冉根来・姚佳慶・鄒貴志と、貴州民族学院では貴州省社会科学院哲学・民族文化研究所幅所長王路平教授、貴州民族学院民族研究所所長石開忠教授と研究交流を行った。本課題では貴州省道真県宗教事務局の協力により研究上の焦点となりうる代表的な地区を網羅的に巡り、より具体的な問題が明らかになった。現在これらの各問題について、メンバーがそれぞれ資料の分析を進めている。