表題番号:2001C-003 日付:2003/05/05
研究課題ハラホト出土文書(モンゴル文)の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 第一文学部 教授 吉田 順一
(連携研究者) 教育学部 専任講師 石濱 裕美子
研究成果概要
 1983・1984年に中国内蒙古文物考古研究所・阿拉善盟文物考古站が内蒙古自治区阿拉善盟内のハラホトで発見した約3000件とされる元朝期文書の内、漢語と西夏語の文書を除くすべての文書、具体的にはモンゴル語を主とする約200件の文書を研究すべく、2001年度の特定課題研究助成費を得て研究を開始し、02年度に科学研究費基盤研究(B)(2)が05年度まで取れた結果、本助成費による研究の期間と合わせて、計5年間研究する態勢が整った。
研究初年度の01年度は本助成費だけ使って研究の基礎固めを行い、11月に内蒙古大学蒙古学研究院の斉木徳道爾吉教授と共同研究に関する協定結び、文書の写真の一部を受け取り、03年3月には同文書のカラーネガフィルムを受け取った。そして02年度に焼付け等を行い、本格的な研究を始めた。一部未入手ものの確保と若干の断片の保存処理の実施が03年度以後の課題として残されているが、ともかく01年度に7回研究会を開き、02年度には週1回から2回研究会を開き、状態のよい文書からローマナイズと和訳を付ける作業を順次行い、9月に内蒙古大学を訪問してローマナイズの方法等について打ち合わせ、12月にも同大学に出かけて1週間共同研究を実施し、ローマナイズ方法等について詰めを行い、また2、3の文書について共同でローマナイズと訳・注を付ける作業を試みて、本研究に関する基本方針をほぼ定め終わった。また日本側の研究の過程で原文書の参照が必要と思われたものについて原文書をチェックした。なおチベット語文書、ウイグル語文書、ペルシャ語文書等については、担当研究分担者が、個別に研究を進めている。以上によって、これまでに文書の主なものはほぼローマナイズを終わり、またそれらについて第1回目の和訳を終わっている。