表題番号:2001B-020 日付:2005/02/21
研究課題多自然居住地域の創造に向けた、まちづくりのレビューとまちづくりの展開に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 後藤 春彦
(連携研究者) 理工学部 助手 村上 佳代
研究成果概要
本研究では、21世紀に向けたわが国の農山村のまちづくりの理論構築と新たなまちづくりの展開の実践をめざし、以下の4点を研究の目的とした。
1) 農山村のまちづくりをレビューするための科学的な手法開発
2) 科学的手法を用いたまちづくり先進地の評価・検証
3) 全国のまちづくり関係者によるシンポジウムの開催と情報共有
4) 全国の農山村・途上国への計画技術移転のためのまちづくり手法のパッケージ化

本研究においては、「まちづくり・オーラル・ヒストリー」という手法を開発し、実践し、体系化することを目的とした。
まちづくりの結果としての施設、出来事、イベントなどの「記録」になりやすいものについては、多くが存在するが、そのプロセスの中での人々の思い、市井の人々のまちづくりの営みの記録は、これまでほとんどなかった。しかし、地域住民が自分たちの地域アイデンティティを確立していく中で、人々の思いといった歴史を収拾し、これまでを時間的に位置づけ、現在位置を確認することは、今後のまちづくりへ歩を進めていくために、欠かせない作業である。
そのため、われわれは、「まちづくり・オーラル・ヒストリー」という手法を、まちづくりの営みを科学的に記述する方法として確立し、調査研究の一手法という位置づけを越えて、まちづくりの活動手法の一つとして社会実験に取り組んだ。
目的の1)、2)については、2つのまちづくり先進地~山梨県早川町:「2000人のホームページプロジェクト」(2001年8月27日~9月31日、2月2日~12月8日、2002年2月20日~3月19日、8月3日~9月9日、12月11日~1月9日)、神奈川県小田原市:「まちづくりオーラルヒストリー調査」(2001年10月23日-25日、2001年11月13日-15日、2002年11月-2003年3月)~において「まちづくり・オーラル・ヒストリー」調査を行った。
さらに、目的3)においては、「まちづくり・オーラル・ヒストリー」の成果をふまえ、以下の3つのシンポジウムを開催した。
(1)「まちづくり講座2001 『合併』-農山漁村の自治単位とは何か―」(2001年10月20日)
(2)「早稲田大学まちづくりシンポジウム2002『人間列島、動き出す。』」(2002年7月14日)
(3)「まちづくり講座2002 -地域づくりインターンのこれまでとこれから-」(2002年11月30日)
さらに、目的4)手法のパッケージ化については、シンポジウム(2)の成果を中心にした、出版物を刊行予定であり、また「まちづくり・オーラル・ヒストリー」についても、2002年7月より、月2回程度の研究会を開催しその体系化の試みを行った。