表題番号:2001B-014
日付:2003/05/13
研究課題高速精度保証付き数値計算に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 大石 進一 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助教授 | 柏木 雅英 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助手 | 中谷 祐介 |
(連携研究者) | 理工学部 | 助手 | 宮田 高富 |
- 研究成果概要
- 精度保証付き数値計算を従来の近似計算と比べて2倍程度の手間で行うための理論体系の構築とソフトウエア開発を行った。主な成果をまとめると以下のようになる。
(1) 理論的手法として、丸めの制御精度保証方式を考案した。これは、IEEE浮動小数点規格754に従うCPUにPortableに成立するアルゴリズム理論で、ベクトル区間演算を基礎としている。
(2) この基礎理論にもとづき、数値線形代数の諸問題に対する、高速精度保証アルゴリズムを開発した。この中には、密係数行列をもつ連立一次方程式の精度保証理論、疎係数行列をもつ連立一次方程式の精度保証理論、固有値の高速精度保証法、残差反復解法の精度保証化理論などを含む。
(3) 以上の成果に基づき、精度保証ライブラリを開発した。
(4) これをSLABという精度保証付き数値計算モードをもつ数値計算ツールとしてソフトウエア化した。SLABは近似解の計算においてはMATLABと互換であるあるが、新たに精度保証モードをもち、この中で計算すると、解の存在と近似解の厳密な誤差を高速に実行する機能をもっている。
SLABは現在GPLとして公開中である。