表題番号:2001A-907 日付:2002/05/23
研究課題プラントエンジニアのためのバーチャルコミュニティ構築プロジェクト
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学総合研究センター 助教授 吉江 修
研究成果概要
生産現場を支えるプラントエンジニアが,互いに情報を共有あるいは交換するための枠組みを,情報技術を駆使することにより実現することが本研究の目的である。今年度は,設備診断や製造計画といった具体的な分野を特定せず,Webブラウザを通して閲覧できる情報の収集・統合を可能とする一般的なツールを開発した。背後にリレーショナルデータベース(RDB)が存在し,そこに格納されているデータがXML形式に変換され,さらにXSLTとの組み合わせでホームページとして閲覧できる状況を考える。データベースの更新により,生成されるXMLドキュメントも時々刻々変化し,それがXSLTドキュメントに記述されているテンプレートにより最新のホームページへと変換される。提案するツールは,このような複数の動的なホームページから必要な箇所を抜き出し,統合して1つのホームページを作成するためのテンプレート群の半自動生成を支援する。主な手順は,つぎの通り。(1)元ページからの情報抽出。XMLドキュメントからXHTMLへの変換規則,すなわちXSLTドキュメントを手掛かりに,元ページはいくつかの部品に分割され,表示される。この中から必要なものが選択され,プリミティブと呼ばれる。(2)ユーザはプリミティブに比較演算子および論理演算子を用いた制約を課し,さらに必要な部分だけを抽出する。これはコンポーネントと呼ばれる。(3)コンポーネントのうち表形式のものは,分割,結合,行・列の削除・交換,転置等の操作を施すことにより,新たなコンポーネント(表形式)作成のために用いることができる。これは,ユーザが所望の表(の一部)を提示することにより,自動的に行われる。(4)こうして得られたコンポーネントをページ上に配置する。以上の手順に従うホームページの統合化は一度行えばよく,RDBが更新されても常にそれに応じたページが得られる。