表題番号:2001A-808 日付:2002/04/29
研究課題医療と介護の業務分担
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 助教授 菊池 馨実
研究成果概要
 本研究課題は、近時における在宅医療・介護の
進展、介護保険導入による介護サービスの増大といった
動向に際し、福祉施設ないし福祉専門職に対する医療的な
ケアのニーズが増大しているとの問題意識の下、その業務
分担を法的に明確化すべきではないかとの観点から、
取り組まれたものである。
 結論的にいえば、医療と介護の業務分担という
大きなテーマへの切り口として、近年増加している
介護事故に焦点を当て、リスクマネジメントの視角から、
その法的分析を行う中で、この課題に取り組むとの
方策をとった。
 結論的には、法律上、介護現場において介護職が
なしうる行為が制限されていることに問題があり、
特に介護職にかかる資格制度の見直し、特に医学及び
看護学分野の教育を強化することにより、一定の医療
行為を可能にする方向性、また介護保険施設体型の見直し、
特に介護老人福祉施設における医療職に人員を手厚くし、
他の施設類型に近づけるとともに、自立生活支援の色彩
の濃い施設を制度上別建てとする方向での施設の再編が
望ましいとの知見を得た。
 医療と介護の業務分担そのものの本格的考察は、
今後さらに深める所存である。しかしながら、
現段階での本研究の成果物として、「介護事故と
リスクマネジメント(上)(下)」『経営協』
(全国社会福祉施設経営者協議会刊)2002年4月号、
5月号が発表される予定である。