表題番号:2001A-802 日付:2002/05/23
研究課題「文化」の論理、グローカルな知識:21世紀の文化・文学研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 助教授 麻生 享志
研究成果概要
 アメリカ作家 Thomas Pynchon (1937- ) の作品における日本 (人) 表象を例に、
冷戦期からポスト冷戦期にかけて、よりグローバルな視野を求めて文学/文化が行っ
た異文化表象が、現在どのようなかたちで再受容されるのかを検討した。これは、グ
ローバル化する文化表象の中でステレオタイプ化されがちな異文化表象を再度ローカ
ルなコンテキストに引き戻すことにより、異文化表象に見られる歪曲や文化的偏見を
矯正し、さらに個々の文化的特徴を明確化していく試みである。本件では特に
Gravityユs Rainbow (1973), Vineland (1990) の2作品における日本人女性の表象的
欠如を取り上げ、日本文化における男性優位主義が欧米的自由主義やフェミニズム運
動を背景とする文学作品のなかで、どのように表現/消費されたのかを分析した。そ
の成果の一部は、すでに2002年2月23日、アメリカ、ケンタッキー州ルイヴィル大学
(University of Louisville) で催された第30回 Twentieth-Century Literature
Conference にてJohn Krafft (Miami University) を議長とするパネル メPynchon in
Asia/Asia in Pynchonモ にて メEncoding, Decoding, and Re-encoding ヤJapanユ: The
Representation of Japan in Gravityユs Rainbowモという表題の下、口頭で発表して
いる。