表題番号:2001A-622
日付:2005/03/01
研究課題ワイドギャップ材料基板上ZnMgCdS系紫外線A直測センサの作成に関する基礎研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 材料技術研究所 | 教授 | 小林 正和 |
- 研究成果概要
- 近年紫外線に関する諸問題が注目されており,紫外線センサの研究が活発に進められている.
GaN系材料ではUVAを感知することは困難なため,Ⅱ-Ⅵ族の4元混晶が注目されている.
ZnMgCdSは(100)GaAs基板に格子整合し,かつUVAのエネルギーに対応する3eVをMg濃度10%で
実現できる.また,Ⅱ-Ⅱ-Ⅱ-Ⅵ系の材料であることから組成制御もしやすいと考えられる.
そこで,ZnMgCdSをMBEにより成長し,UVAセンサとしての適応性について検討した.
ZnMgCdSをZn,Mg及びCdS化合物を用いて(100)GaAs基板上に成長させた.条件は基板温度
150-230℃,BEP比(Zn+Mg)/CdS=0.03-0.35の間で変化させた.基板温度150℃でBEP比=0.03
の場合,CdがZn,Mgに置換されなかった.次に220℃,BEP比=0.068ではCdがZnとMgに対して
1:1の割合で置換されていた.その結果,GaAsにほぼ格子整合し,室温でのバンド端が3eV付近
のZnMgCdSを成長させることができた.さらに,230℃でBEP比=0.35に上げるとCdがほぼ100%置換
されていた.これらのことは従来報告されているZnCdSのSの被服率によるZn,Cd付着率の関係と
一致していた.10KでのPLスペクトル測定の結果より、Zn,Mgの含有量が増えるに従ってエネル
ギーギャップが増大していることが明らかになった.但し組成比が面内で分布しているためか
ピークは比較的ブロードなものになった.また,Au電極を蒸着することによりMSM構造のセンサを
作製した.その結果,UVA以上のエネルギーをもつ光にのみ選択的に反応し,伝導率が変化して
いることが明らかになった。