表題番号:2001A-609 日付:2005/11/21
研究課題加齢に伴う非特異免疫能の変化に及ぼす各種ライフスタイルの影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 町田 和彦
研究成果概要
成人病予防の為には適度な運動、ストレスからの開放、さらに免疫を強化するための食生活や肥満の抑制が重要な鍵を握っている。これ等の要因が加齢に伴い生体防御機能にどのような影響を与えていくのかをラットを用いた研究で明らかにしょうとした。本研究を以下の3つに分け、いずれの研究もFischer系雄性ラットの5周齢(若齢群)、31周齢(壮年期群)、67周齢(高齢群)の3年齢群のラットを用い、各負荷を与えながら4ヶ月間飼育し、その後ラットをネンブタール麻酔下で解剖して各種生体防御機能(NBT法による好中球貪食・活性酸素産生能、肺胞マクロファージ活性酸素産生能、脾臓のNK細胞活性能とリンパ球幼若化能、臨床生化学検査)を調べた。
1。加齢に伴う生体防御機能の変化とそれに及ぼす運動の影響:好中球非刺激試験では若齢群、壮年群に比べ高齢群は有意に高値を示 した。また高齢群の運動群は対照群に比べ有意に低値を示した。ブドウ球菌貪食試験では貪職能、活性酸素産生能ともに壮年群が他 の2群に比べ有意に高地を示したが、肺胞マクロファージの活性酸素産生能は若齢群で他の2群より有意に高値を示した。リンパ球幼 若化試験は壮年群がほかの2群より高値を示し、特にPWM刺激では運動群が有意に亢進した。年齢により各免疫反応は異なったが運動 の効果は認められた。  
2。加齢に伴う生体防御機能の変化とそれに及ぼす心理的ストレスの影響:心理的ストレスによりどの年齢においても好中球の活性酸 素産生能が抑制されたが、年齢の増加に従い貪食能との相関が低下することから好中球機能とのバランスが衰えてくることが推測さ れた。幼若化では若齢群の亢進が認められたが、ストレスの影響は認められなかった。NK活性、肺胞マクロファージの活性酸素産生 能においては各郡での有意な差は認められなかった。
3。加齢に伴う生体防御機能の変化とそれに及ぼす食事制限の影響:食餌制限は若齢群の幼若化能では機能亢進が認められたが、肺胞マクロファージの活性酸素産生能やNK細胞活性能では逆に若齢群では機能低下を示した。しかし、老齢群のNK活性のみは有意に機能亢 進を示した。