表題番号:2001A-530 日付:2003/06/13
研究課題中国語コンピュータテスティングシステムの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 第一文学部 助教授 楊 達
研究成果概要
2001年度から2002年度にかけて、オンラインテストのための以下の3項目を中心に研究開発をしてきた。
①コンテンツの制作:テストに使用するテキスト,音声の素材を作りおよび動画の脚本制作。
②オンデマンドシステムを利用した教場試験:文学部中国語中級選択Aで前期,後期2回に渡って、教場にて実験的にオンラインテストを行った。
③タイピング速度と語学能力を測るソフトの作成:コンピュータやネットワークを教育に利用するという動きがますます活発になってき今日では,やがてオラインテストもごく一般に行われることになろう。そのために,音声・画像圧縮技術、音声認識,インタネットの高速化など多くの克服しなければならない課題は少なくないが,それ以外にも,テストの信頼性を高めるための研究テーマが多く残されている。その1つはパソコン技術の熟練度と語学能力の相関であろう。
早稲田大学中国語教育総合研究所と理工学部の成田研究室はこれまで中国語の教育ソフト開発してきた。その過程で,いくつかの問題を発見した。その1つは学習者がタイピング技術が低いために、問題の内容を理解できているのに関わらず制限時間内に課題を完成することができないことがあった。これまで使用してきた学習ソフトは中国語を反射的に運用できるようにするのと同時にコンピュータリテラシをも前提にしているために,とくに問題は発生しなかった。しかし,被験者の語学能力を正確に測らなければならないオンラインテストの場合、パソコン技術と知識との不釣合いは放置することのできない問題である。つまり,被験者の正確な語学能力を測るためには、ある課題を解決できないのは、パソコン(タイピング)技術の未熟から来たのか,それとも知識の欠如から来たのかを明らかにしなければならない、ということである。
現在はデータを取るためのソフトをすでにインタネットに乗せて、部分的に実験を開始している。2003年度は引き続き、そこから採集したデータに基づいてタイピング技術と学習能力との相関について研究していく予定である。