表題番号:2001A-183 日付:2003/04/23
研究課題映像情報配送における通信品質制御のためのネットワーク運用管理方法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際情報通信研究センター 教授 中里 秀則
研究成果概要
1. トランスコーダを利用し、異なるネットワークドメイン間を繋ぐリンクにおいて、diffservのAF PHBおよびBest Effortクラスを使った場合について、マルチキャストグループ間での帯域配分方法を検討した。映像配信ではパケット損失による影響が大きいため、グループ毎にAF PHBを使うか、Best Effortクラスを使うかを区別することとし、またネットワークの混雑度を基に、Best Effortクラスの使用率を決定する方法を提案し、評価によりその有効性を確認した。

2. アクティブネットワーク技術を用いたモーバイルエージェントによるネットワーク制御のためのアーキテクチャを提案し、実装を行なった。さらに、そのアーキテクチャ上でエージェント実行優先度を利用した通信品質制御方式の評価を行った。

3. diffservに対応し、多様なスケジューリング方法、経路制御方法によるシミュレーションを可能にするネットワークシミュレータを一般に公開されているネットワークシミュレータであるns2をベースに開発した。また、輻輳制御機能を付加したdiffservのためのスケジューリング方式を提案し、開発したシミュレータを用いて、評価を行った。さらに、diffservサービスクラスを実現するための経路制御方式を提案し、この提案方式についても開発したシミュレータを用いた評価を行った。

4. 映像情報配信の送信レート制御方式として、UDPを用いた場合とTCPを用いた場合それぞれについて制御方式を提案した。UDPの場合は、パケットの送信から受信までの遅延時間を基にネットワークの混雑度を推定し、その混雑度から送信レートを決定する制御する方式である。TCPの場合は、TCPがもともともつ送達保証機能を実現するための送信バッファの情報を使用する。送信バッファの使用状況から映像情報の送信レートを決定する方式を提案した。