表題番号:2001A-136 日付:2002/05/08
研究課題シェリング宗教哲学と現代人にとっての宗教についての研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学部 教授 那須 政玄
研究成果概要
 今まで、後期シェリングの神話と啓示を研究することによって、近代の枠組みを反省するための基盤とすることを目論んできた。そのために、近年発見されたシェリングの『啓示論(1831/32)』を山本冬樹氏と共訳しつつ新しいシェリング像を発見することに努め、また後期シェリングの理解を深めた。
 2001年度も、この『啓示論』の翻訳を継続し、全部で81講義録中、23講義から29講義までを印刷に付すことができた。さらに、2001年の7月からヤスパースの著作『シェリング』の翻訳を山本冬樹氏と高橋章仁氏と私との3人ではじめ、できれば今年度中に翻訳を完成させたいと思っている。
 また、2001年度には、比較宗教学の観点から、「新義真言教学の宗教的位相」という表題のもとに、新義真言宗の依拠する「加持身説法」と、シェリングの解釈するキリスト教における「啓示」との比較を行った論文を書いた。この論文は、2002年10月に大蔵出版から出版される予定になっている。