表題番号:2001A-101
日付:2002/05/09
研究課題アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 橋本 喜一朗 |
- 研究成果概要
- 「ガロアの逆問題」の最終課題は 与えられた体 k に対して,
与えられた有限群 G をガロア群とするガロア拡大 K/k を
全てを求める問題であるが, 簡単な構造を持つ群の場合でも満足
な結果は殆ど知られていない.
本研究では, ${\bf Q}$ 上の巡回方程式として基本的である
「ガウス周期」の既約方程式を組織的に調べ, ${\ell}$ 次ガウス周期の
既約方程式 $F_{\ell}(p;X)$ が, 前世紀半ばに Dickson により研究された
「円分数」の行列の固有多項式として把握できることを解明, これを利用
して巡回方程式の族を構成することを試みた.
すなわち, ガウス周期の満たす性質の一部を公理として関数体上のモデルを
構成することにより,このようなガウス周期から巡回多項式族が
得られるしくみを明らかにし, これよりガウス周期がみたす種々の代数関係式を
「円分数」の関係式性として解釈し, これを公理化して関数体上のモデルを
構成することを試みた. その結果, ${\ell}=3,4,5,6,8$ の場合に,
複数個のパラメータ付きの巡回多項式族が比較的 simple な形
(代数的整数論などへの応用も期待される)で得ることができた.