表題番号:2001A-098 日付:2002/05/08
研究課題変分的方法による非線型微分方程式の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 田中 和永
研究成果概要
変分的手法により非線型微分方程式の解の存在に関する研究を行った. 今年度は次のような研究成果が得られた.

まず非線型楕円型方程式に関しては, R^N における方程式 -\Delta u = g(u) のエネルギー最小解の Mountain Pass Theorem による特徴づけに関して研究を行った. 従来 g(u)/u の単調性の仮定の下でこのような特徴付けは示されていたが,この様な仮定なしでも成立することを示した. またこの特徴付けの応用として漸近的に線型のオーダーをもつ R^N における非線型楕円型方程式の解の存在が得られた. (以上は L.Jeanjean 氏との共同研究である).

ハミルトン系に関しては 2 体問題をモデルとする特異性をもつハミルトン系に対する周期軌道の存在問題を考察し, 特異点集合 S が体積をもつ場合に特異性が V(q)\sim -1/\dist(q,S)^\alpha (\alpha\in (0,2)) と非常に弱い場合にもその存在を示し, 従来よく用いられる strong force と呼ばれるクラスとは異なるポテンシャルのクラスにおいても non-collision 周期軌道の存在が保証されることを示した. (この結果は足達慎二氏との共同研究である).