表題番号:2001A-066 日付:2002/06/04
研究課題ハンセン病と文学言説-近代日本のジェンダー編成を視座として-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 助教授 金井 景子
研究成果概要
 本研究については、以下の3点から作業を進めた。

①東村山市にある高松宮記念ハンセン病資料館および全生園(ハンセン病の療養所)付属図書館所蔵の文学に関する文献調査
②ハンセン病を扱った文学作品における女性表象の分析および女性表現者の提起する問題点の抽出
③中等教育に供給しうる、総合的学習の時間に対応した教材の作成

 まず、①についてであるが、高松宮記念ハンセン病資料館の調査をほぼ終了し、付属図書館の資料に
着手することができた。付属図書館では、入園者の遺稿や図書の貸し出し実態調査など、新たに重要な
局面も見えてきて、今後も調査を続行する予定である。
 
 次に②であるが、昨年度より北条民雄、明石海人、藤本としらの言説分析に加えて、園内の文学
グループへの聞き取り調査を行い、ハンセン病とジェンダーを視座に、調査内容については、
現在論文作成中であり、2002年度の『学術研究』に執筆予定である。
また、計画書で提示していた「北条民雄とその時代展」も2003年秋の開催にむけて、全生園付属図書館
の学芸員で元・患者さんである山下道輔さんとともに、準備を進めている。

 ③については、金井の作成したプランにしたがい、3年生のゼミ「特殊研究」において実地に
実践しうるプログラムにするために、2002年6月から7月にかけて大学生相互で授業実践を
試み、その反応を踏まえて、2002年度の『早稲田大学教育研究科紀要』に論文を執筆する
予定である。