表題番号:2001A-035 日付:2003/12/18
研究課題日本近代文学における「悲惨」及び「怪物」の誕生-広津柳浪を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 高橋 敏夫
研究成果概要
「日本近代文学における「悲惨」及び「怪物」の誕生-広津柳浪を中心に」という大きなテーマのもとで、以下の三つの柱をたてて研究をすすめた。
① 「1890年前後の文学概観」。泉鏡花「夜行巡査」「外科室」、川上眉山「書記官」「うらおもて」、そして、広津柳浪の「変目伝」「黒蜥蜴」「亀さん」など、いわゆる「観念小説」「悲惨小説」とよばれる作品群の再評価。
② 下層社会の「暗黒」表象の研究。同時代のさまざまな探訪記とくに松原岩五郎「最暗黒之東京」における「暗黒」表象の検討。ルポルタージュ誕生の意義。二葉亭四迷と松原とのかかわり。「暗黒」と「身体」との関係――などの研究。
③ 広津柳浪の作品の個別研究。
今年度の研究として特に力を入れたのは、②である