表題番号:2001A-017
日付:2002/04/25
研究課題刑事訴訟における当事者の処分権
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 法学部 | 教授 | 田口 守一 |
- 研究成果概要
- ○研究成果概要
刑事訴訟の現実においては、自白事件が9割を占め、いわゆるダイバージョンの範囲も拡大し、起訴事件の大部分は略式手続によって処理されている。このような現実に対して、学説は、依然として、否認重大事件の刑事手続をモデルとして訴訟理論を構築している。これによる理論と実務との乖離は様々な弊害をもたらしている。そこで、そもそも刑事手続は否認事件の手続と自白事件の手続とで異なった原理・原則で構築されるべきではないかとの視点から、とくに自白事件の刑事手続を研究している。そこでは、被疑者・被告人の主体的手続関与という側面がとくに重視されるとの観点から、とくに被疑者・被告人の自己決定権の可能性とその限界について考察を進めている。このような観点から、本年度は、自白事件の刑事手続の持つ特性について分析を進めるとともに、外国法のうちドイツ法について、被告人側が裁判の結果について事前に「合意」をなすという実務に注目して、比較法研究を行った。