表題番号:2000B-004 日付:2002/05/07
研究課題パネル法による大学卒業生の成人前期の人生移行に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 大久保 孝治
(連携研究者) 文学部 教授 正岡 寛司
(連携研究者) 文学部 教授 嶋崎尚子
(連携研究者) 文学部 助手 白井千晶
研究成果概要

 われわれは今回の研究女性を受ける以前より、首都圏の4年制私立大学を1991~93年に卒業した若者たちを対象にして、①4年在学中、②卒業直後の6月、③卒業翌年の6月という3時点の追跡調査を、さらに④1998年11月に「30代への移行調査(第1回)」を実施してきた。そして今回の助成を受けて、2002年11月に「30代への移行調査(第2回)」を実施することになった。(今回の助成は2002年3月までだが、引き続き科研費の助成を受けられることになったので、11月の実査に支障はない)。
 この2年間はわれわれの長期にわたるパネル調査の最終回である「30代への移行調査(第2回)」の実施へ向けての準備作業を行なった。具体的には、第一に、①~③調査の縦断データセットの構築を行なった。この作業には膨大な時間を要したが、コードブックも完成し、パネル項目(反復質問項目)の個人水準での推移について単純集計結果を出した。このデータセットに④および⑤の調査データを連結すれば、大学卒業後約10年間にわたる成人前期のライフコースの展開過程を詳細に分析することが可能になる。
 第二に、定期的な研究会をグループ内でもち、パネルデータを用いた縦断分析の方法論の検討を行ない、その成果を日本社会学会大会や、家計経済研究所主催のパネル調査カンファレンスで報告した。また、これまでの研究成果の一部をまとめて大久保孝治編著『変容する人生』(コロナ社)を刊行した。
 第三に、⑤の調査の対象予定者に継続して調査への協力をお願いするべく(同時に住所データベースの管理のために)、ニューズレター『ディベロプメント』12号(2001年8月)と13号(2002年1月)を発行し、対象者に発送した。